シーホース・ノジロック 技術資料

ノジロックと樹脂塗布ねじの比較試験
NS式高速ねじ振動ゆるみ試験機を用い、サイズM6×45、締付トルク5N.mの同条件でノジロックと樹脂塗布ねじの振動前後の緩み比較試験を行いました。
振動条件
振動数 1780rpm/分間
加振台ストローク 11mm
インパクトストローク 19mm
振動方向 垂直方向(復振動)
緩め方向に力をかけ、いつ緩み始め、どの位の時間をかけて脱落するかを測定。Y軸方向に曲線が延びるほどトルクが必要となり、X軸方向に延びるほど緩みにくい状態を表しています。
                                     《X軸=時間 Y軸=トルク》
解説
1.
ノジロックは緩み始める時間が長い

2.
ノジロックは緩みに対し、耐性(トルク)が高い

3.
ノジロックは時間が経過しても緩みにくい
4.
ノジロックは振動によりめねじに食い込み、戻りにくくなる

5.
3と同様、ノジロックは時間が経過しても緩みにくい
上記で行った試験と同様に、ノジロックとその他4種類の緩み止め効果を持つねじで比較試験を行いました。
                   《1種類につき8回、5種類計40回試験を行うことで平均値を測定》
ノジロック比較試験結果
は脱落なし 数字は脱落した時間
平均時間
SS 六角ナットM6 締付トルク5N.m                           試験時間1分
品名\N数
1
2
3
4
5
6
7
8
ノジロック
樹脂塗布加工ねじ
他社緩み防止ねじ
25秒
30秒
40秒
16秒
25秒
45秒
座金組込ねじ
41秒
50秒
小ねじ
15秒
28秒
20秒
28秒
17秒
23秒
37秒
⇒ ⇒ 脱落なし
⇒ ⇒ 脱落なし
⇒ ⇒ 約30秒
⇒ ⇒ 約45秒
⇒ ⇒ 約23秒
トルクアアライザーによる戻しトルク試験データの比較
振動試験前VS振動試験後
品名\N数
振動前(N.m)
振動後(N.m)
ノジロック
2.07
3.13
樹脂塗布加工ねじ
1.32
1.18
他社緩み防止ねじ
1.21
0.69
座金組込ねじ
1.46
1.59
小ねじ
1.18
0.58
●注意●
おねじ側ノジロックに組み合わさるめねじには、製作方法「切削タップ・転造タップ・下穴」による相違使用される相手部材「鉄・ステンレス・アルミ・チタン・ダイキャスト」などの板厚「厚い・薄い・貫通穴・袋状」など有効ねじ山数による相違があります。
そのためノジロックの効果を十分発揮させるためにもノジロックのどのタイプが最適か、より効果を発揮するか、見極める必要があります。

≪特記事項≫

ノジロックとは、株式会社ファスナー技研(野地川社長)の特許製品(日本・米国)であり商標登録された製品である。池田金属工業株式会社は、株式会社ファスナー技研と特許権使用許可契約を取り交してこの製品を株式会社ファスナー技研に認定された弊社指定工場において製造している。

1. ノジロックねじの緩み防止メカニズムについて・・・

ノジロックねじの形状における特徴は、おねじフランク面に設けられた段差(返し)にある。
段差の締付け回転方向を見ると、ねじ成形時(転造時)に段差を設けることによって押しのけられた素材がおねじフランク面の膨らみとなっている。
この膨らみは、ねじ締結時にめねじフランク面を押しのけ、押しのけられためねじ素材が段差(くぼみ)に入り込んでねじの緩み回転を止める働きをすることになる。
(下記写真にて、ノジロックねじフランク面の拡大写真とめねじ条痕の拡大写真を確認のこと)


2.ノジロックねじの品質管理基準について・・・

ノジロックねじの効果が十分発揮されるためにはおねじフランク面とめねじフランク面が出来るだけ密着した状態で締結されるのが望ましい。しかしながら、あまり密着しすぎると摩擦抵抗が大きくなりすぎて締結不能になる。これを数値管理すると、ノジロックねじが想定するめねじ公差は6H(2級)なので、その有効径公差範囲内でのおねじ有効径を選定することになる。

例えば、M4ノジロックの場合、めねじの有効径公差は、3.545〜3.663mmなので、
ノジロックねじの標準タイプ(これをCタイプとする)の有効径(ねじ下径)を 3.54mmとしている。
めねじが大きくなるに従って 3.56mm(CSタイプ)
3.58mm(Sタイプ)と有効径を大きくして対応している。
逆に、めねじが小さすぎる場合は、3.52mm(CCタイプ)を選定している。

(下記の表1参照)

表1 【参考資料: めねじ並目 (6H) の公差】

呼び
有効径(mm)
内径(mm)
 
最大
最小
最大
最小
   M1.4
1.265
1.205
1.142
1.075
   M2
1.830
1.740
1.679
1.567
   M3
2.775
2.675
2.599
2.459
   M3.5
3.222
3.110
3.010
2.850
   M4
3.663
3.545
3.422
3.242
   M5
4.605
4.480
4.334
4.134
   M6
5.500
5.350
5.153
4.917
   M8
7.348
7.188
6.912
6.647
   M10
9.206
9.026
8.676
8.376


以上のべた形状管理(有効径管理)の他にも、ノジロックの効果を発揮するために必要な機械的性質としては、めねじ素材と同等以上の硬さが求められる。硬さが充分であるか否かは、ノジロックねじをめねじに数回繰り返し締付け戻しをして、めねじに条痕が確認出来るか否かで判定できる。めねじの方が硬い場合は条痕が出来ないので、使用不可。



3. ノジロックねじの締付トルクについて・・・

ノジロックねじの締付トルクはメートル並目ねじの締付トルクに準じて決定されるが、各タイプ(C,CS、Sなど)によって、また、めねじの公差範囲内でのばらつきによって、推奨値は変化する。めねじ公差が中心にある場合、各タイプの推奨締付トルクは、Cタイプでは、メートル並目ねじの5%アップ、CSでは、10%アップ、Sでは15%アップの締付トルクで本来の設定軸力が実現出来る。ただしこれらの推奨値は、挿入部材の限界面圧の範囲内で適用されるべきもので、挿入部材が樹脂など軟らかい場合は、別途計算値によって決定されるか、段付きねじにするかの選択が必要である。


4.ノジロックねじの繰り返し使用限度について・・・

上記に掲載しているトルクデータは、弊社所有NS式振動試験機による、振動試験(5分後)の戻しトルクと振動試験前の戻しトルクを表している。結果は、10回繰り返しまで、振動試験後の戻しトルクの方が大きい値を示していた。この試験結果は、鋼製ボルト+鋼製ナットの場合のもので、材質が変われば結果も変わってくるので、お客様におかれましては、繰り返し締付け戻しを行って、めねじ条痕が確認される間は使用可能と判断していただけます。
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