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ねじの強化書(Vol.13) 規格と流通の微妙なズレ

2021.03.15
ねじの強化書

規格について

それぞれの製品について取り決められた標準のことを「規格」と言います。
ネジの場合、世界の国々で共通して利用されている国際規格であるISO規格、日本国内で使用されていて、基本的にはISO規格に準拠するJIS規格の他に、あるひとつの業界や団体で使用されている業界規格や団体規格まで、いろんな階層の規格に基づいた製品が存在します。

流通しているねじと規格が違うの?

ネジの規格における注意点は、流通しているネジと最新の規格が必ずしも同じとは限らない、というものです。
例を挙げると、皆さんが普段使われている六角ボルトや六角ナットにおいては、日本で流通しているほとんどのものが、「附属書品」というものです。
附属書品とは、1985年のJIS規格の改正以前に使用されていた六角ボルトや六角ナットの規格に従って製造されたもので、「JA六角ボルト」や「JA六角ナット」という名称で呼ばれています。
それに対して、ISO規格に準拠して定められたJIS規格の六角ボルトや六角ナットを「本体規格品」と言い、「IS六角ボルト」や「IS六角ナット」という名称で呼ばれています。
本来なら本体規格品が主流になるはずですが、今のところ日本においては前述の通り、附属書品が主流になっています。
なので、ネジにおいては、「(本体)規格品」と「流通品(ここでいうところの附属書品)」を分けて考える必要があります。
でないと、本体規格品の規格に基づいて六角ボルトの或るサイズを選定したけれども、実は市販品が無い、オーダーメイドしなければならない、それではコストもリードタイムも掛かりすぎる、それでは、製造原価があがってしまう、組み立て納期が間に合わない、最悪の場合、ネジ選定からやり直し、という事態になりかねません。

 

今回は以上です。
※ISO規格:国際標準化機構(International Organization for Standardization)
※JIS規格:日本産業規格(Japanese Industrial Standards)
ところで、「デジュールスタンダード」と「デファクトスタンダード」というキーワードをご存じだと思います。
ざっとおさらいすると、ISOなどの標準化団体が取り決めたものをデジュールスタンダード、それに対して、事実上の標準となっているものをデファクトスタンダードと呼びますが、有名なものでは、パソコンのキーボード配列QWERTYですよね。
パソコンのキーボード配列は過去には他の配列もあったようですが、紆余曲折(があったかどうか知りませんが)、競争の末に現在はQWERTYが主流になっています。
少々乱暴ですが、今回お話しした六角ボルトや六角ナットを当てはめると、今のところという前提ではありますが、どちらがデジュールスタンダード的な存在か、どちらがデファクトスタンダード的な存在か、明白かもしれません。
次回もお楽しみに!

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