ねじの強化書(Vol.26) 応力腐食割れってなんやねん?

ねじの強化書

耐食性に優れるオーステナイト系と、耐応力腐食割れに優れるフェライト系の特長をあわせ持つステンレス鋼が、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼です。

オーステナイト系は耐食性や耐熱性も良く、強度、つまりじん性にも優れているものの、応力腐食割れには注意をしなければなりません。

では、「応力腐食割れってなんやねん?」となるのですが、金属が腐食する環境、たとえば海水などの塩化物にさらされたり、溶接とかでかなりの高温にさらされたりして腐食が起きる状況で応力が加わったときに金属に亀裂が入り、割れる現象のことです。

それもその金属が耐える応力よりも小さい応力でも発生するのが特徴です。

亀裂が入って割れるというものなので、この場合の応力というのは圧縮応力というより、どちらかというと引張応力になります。

ステンレス鋼の中でもこの応力腐食割れが起きやすいとされているのがオーステナイト系です。

それなら耐応力腐食割れに優れるフェライト系にすればいいやん!となるわけですが、そうすると耐食性が必要となるオーステナイト系を使用する環境にそぐわないことになりかねません。

そこでそれぞれの特長をあわせ持ったものがオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼というわけです。

オーステナイト・フェライト系は応力腐食割れ対策となるだけでなく、オーステナイト系と比較すると、耐食性や強度も高くなるというスグレモノです。

このオーステナイト・フェライト系は別名で二相系ともいわれ、代表的なものでいうと、SUS329があります。

また、ステンレス鋼が高温にさらされるとなぜ腐食環境になるかというと、ステンレス鋼の耐食性のもととなるクロムが少なくなるからです。

どういうことかというと、ステンレス鋼の使用環境が高温になると、ステンレス鋼の中の炭素とクロムがくっついてクロム炭化物となり、クロムが欠乏するから、ということです。

そして、クロムが少なくなると耐食性が低下して、そこへ引張応力が加わると応力腐食割れを引き起こすというわけです。

となると、高温でもクロムとくっつく炭素が少なければ応力腐食割れ対策になるんとちゃう?という理屈で、オーステナイト系にはLシリーズ、と呼ぶのかどうか定かではありませんが、SUS304LやSUS316Lという低炭素の材料があります。

このような材料を使うことにより、クロム炭化物の発生を抑える、という仕組みです。

今回は以上です。

次回もお楽しみに!

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