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ホームイケキンの強みスペシャリスト石河 健一郎
スペシャリスト

品質のために台湾行脚。
YFS社との信頼と絆を築く
不屈のドラマ、石河ありてこそ。

スペシャリストの紹介 石河 健一郎

執行役員 商品部 部長
信頼ゼロからはじまった物語。
YFS社の将来性に注目したのは?
製造業のグローバル化が進んだ90年代後半、海外仕入強化の方針は我社も同様でした。
2000年に私がその業務を担当することになりました。

これからお話しする台湾メーカーYFS社(池田金属工業は日本の正規代理店)は、今でこそ品質への信頼は絶大で、大きなマーケットになりました。
しかし取引を始めた当初は顧客どころか社内からも品質を疑問視され、ホントに肩身が狭かったのです。
細い繋がりをたどってYFSを見つけた当時、まだ事業規模の小さなメーカーでした。
ところが現地工場を見て、品質への向き合い方とその情熱に驚きました。
台湾メーカーYFSの意欲を見抜く。
海外製は価格優位のモノだけ売れる?
日本人はメイド・イン・ジャパン崇拝があります。
私もそうです。でもYFSは別格。
台湾メーカーの中でも群を抜いていました。
異常な品質管理レベルなのです。
経営者の目線は常に現場に向いており、ものづくりに対してものすごく真摯。
しかも5年先10年先の展望を常に描いていらっしゃった。
小さな町工場レベルだったのが訪問するたびに広大でき
れいな工場へと姿を変えていくのをこの目で見て、可能性を感じざるを得ませんでした。
市場では精度よりも価格を重視されている中にあって、YFSは高精度・高耐久に目を向けていました。
しかし、だからこそ日本市場の開拓には難航したんですよね。
台湾製というとまずは価格にしか目を向けられない時代でしたから。
売れない暗黒時代も諦めることなく。
台湾まで通い詰めた?
ほぼ隔月で台湾(YFS)まで足を運び、将来展望への確信はどんどん深まっていくものの、なかなか取引実績が作れませんでした。
見込客を台湾の生産現場までお連れして案内したことも幾度もありました。
それでも実りがない。契約目前までこぎつけても手のひらを返されてしまうこともありました。
再度ご提案の機会を申し入れても、取り付く島さえなく帰されたこともあります。
結局は使い慣れた製品に流れてしまったのでしょう。
社内からもYFSからも『いつになったら売れるんだ?』と。
私はただ「すみません」と頭を下げるしかありませんでした。
それでも自分の信じた道ですからそのまま突き進むのみです。
意思疎通のために中国語レッスン通い。
開発以外での努力って何ですか?
あるとき、通訳の人の言葉が十分ではないことに気づいたのです。
改善要求をしてもうまく通じていない。
これは伝わらないんじゃなく、伝えていないんじゃないか?と思うことがありました。
意図していることは自分の言葉で届けなきゃ話になりません。
勢いでプライベート中国語レッスンに通いました。
なけなしの貯金を切り崩しましたが、仕事の苦労を乗り越えるための武器だと思えば安いものです。
言葉が理解できるようになると、通訳が不十分な箇所を指摘できるようになり、そして単独で商談が進められるようになり、やがては現地の観光ガイドまでできるぐらいになっていました。
自分の努力家ぶりに驚きです。
YFS製への信頼確保は社内から。
社内での評価を得ていなかった?
なかなか実績が上がらないまま、ある日のリーダー会議で社長(現会長)が全員に向かって問いかけました。
『この中でYFS製の品質に懐疑的な人はいますか?』と。
そしたらなんと、管理職が恐る恐る挙手するではありませんか。盲点でした。
社内でも信頼相場が低いままだったとは。
それまで台湾製といえば低コストが売りだったので、数あるネジの中でも、熱処理精度や高い品質管理が求められる六角穴付きボルトの製造には向いていないと思われていたのです。
社長から『すぐに全員を生産現場の視察に連れて行け!』との指示がありました。
台湾視察弾丸ツアーです。
YFSの生産規模、設備、加工現場、検査体制を実際に見て、社内の空気も180度変わりました。
私の培ってきたことにもようやく明るい兆しが見えてきたのです。
細くとも地道につむいできた絆は強い。
きっかけは大手取引?
2009年、大手企業への納入が実現しました。
これを端緒に全国のお客様から声がかかるようになり、実績はどんどん増えてきました。
YFS社からは経営者の甥っ子が当社の品質管理部門に1年間出向されました。
これで絆はますます深くなるばかり。
おかげで両社の業務フローは円滑になり、日本市場における課題についても本社にフィードバック対応でき、さらに業績を伸ばすことができました。
信頼関係もここまで築けば、競合の追随など、もうあまり怖くありません。
品質を創る商社機能の役割。
競合他社との差別化は?
顧客要望を叶えるって、価格だけでもなく、供給体制だけでもなく、品質だけでもありません。
生産現場に視点を注ぎ、管理体制をチェックして、ようやく『コレが適切ですよ』と言えます。
生産メーカーにも納入先にも丁寧な仕事をしていれば信頼構築ができます。
ウチのネジ好きな社員たちは、ずっとそんなことばかり考えていますよ。
自分なんかまだまだだなあと思うことさえあるんですよね。
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