ボルト・小ねじ、タッピンねじ、ドリルねじの使い分け
では、ねじを構成する8つの項目について、1つずつ確認していきましょう。
ねじ選定において、最初にこういった地道な作業が必要だと考えます。
そのことによってねじを使い分けることができるのです。
この「ねじの強化書」という連載コラムは「使い分け」がキーワードになります。
まずは、ねじ形状について。
ねじ形状において締結用のものは、①ボルトや小ねじ、②タッピンねじ、③ドリルねじ、が主なものとなります。
さて、これらはどのように使い分けましょうか。
締結精度の視点で見ると、高いものから、ボルトや小ねじ⇒タッピンねじ⇒ドリルねじ、の順になります。
ここで言うところの精度は、ねじ自体の精度ではなく、締結体の精度になりますが、これは使用方法によるところが大きいです。
予めメネジがあるものへの締結はどちらかというと締結精度が高くなりますので、ボルトや小ねじはこれに当てはまります。
それに対して、ドリルねじは先端のドリルで下穴をあけ、ねじ部でメネジを無理矢理作っていくので、どちらかというとラフな締結になります。
タッピンねじは、予め下穴があるところにねじ部でメネジを無理矢理作っていくので、締結精度としては、ボルトや小ねじとドリルねじのあいだに位置付けられます。
今回は以上です。
ところで、この連載コラムは「誰向け?」と言われることがありましたが、基礎的な内容なので、キャリアの浅い人向けに書いています。
なので、ある程度のキャリアの人については簡単すぎて参考にならないと思います。
ただ、これを読んでいただいて目からウロコ!ではなくても、「そうそう、そうだったよな!」と初心に戻っていただいたり、より良いねじ締結のためのきっかけになれば幸いだと思っています。
次回もお楽しみに!