ステンレスが錆びにくい理由
なぜステンレス鋼はさびにくいかというと、“表面が不働態化しているから”です。
では、この不働態化とは何かと言うと、鉄にクロムを添加するとクロムが酸素と結合して、つまり酸化して、鋼の表面に薄い保護被膜が生成されます。
この現象が「不動態化」で、クロムを10.5%以上添加させることが不働態化する条件となります。
そして、不働態化したこの酸化被膜を「不動態被膜」と言い、この被膜が錆びの進行を防いでくれます。
この不動態被膜は1,000分の3マイクロメートル程度のごく薄いものですが、大変強じんで、一度こわれても周囲に酸素があれば自動的に再生する機能をもっています。
ねじの強化書Vol.20にも書きましたが、ステンレス鋼は化学成分上において、ニッケルを含有させたニッケル系、ニッケルを含有させていないクロム系の2種類に分類されます。
さらに、金属組織において分類すると、ニッケル系はオーステナイト系、オーステナイトフェライト系、析出硬化系の3種類、クロム系はフェライト系、マルテンサイト系の2種類、合計5種類に分類されます。
これらの中で、ねじに一番利用されているのは、オーステナイト系ステンレスです。
六角ボルトや六角ナット、六角穴付きボルト、十字穴付き小ねじ、座金、止め輪など多くの種類やサイズが流通しています。
ステンレス鋼で作られているねじ部品や関連部品においては、かなりの割合がこのオーステナイト系ステンレスで占めます。
今回は以上です。
ところで前回のねじの強化書Vol.21で、
「あれ、ちゃうちゃうちゃう?」
「ちゃうちゃうちゃうちゃう」
「あれ、ちゃうちゃうちゃうん?」
「ちゃうちゃうちゃうんちゃうん」
という関西弁のやりとりを書きましたが、みなさん意味はわかりましたでしょうか。
犬でチャウチャウという種類がありますよね。
そして、「違う」とか「~じゃない?」というのを、関西弁で「ちゃう」といいます。
なので、このやりとりを標準語にするとこのようになります。
「あれ、チャウチャウじゃない?」
「チャウチャウ違う違う」
「あれ、チャウチャウじゃないの?」
「チャウチャウ違うのと違う?」
とこんな感じになるわけです。
次回もお楽しみに!