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ねじの強化書(Vol.24) フェライト系ステンレスってどう利用すんねん?

2021.03.21
ねじの強化書

18クロム系のフェライト系ステンレス鋼

18クロム系のフェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレスよりも耐食性は見劣りするものの、ネジ部品でいうと冷間圧造する際の加工性においては優位性があります。
つまり、金型を使って製造する場合に金型への負荷や材料への負荷が少なく、作りやすいということになります。
また、オーステナイト系ステンレス鋼のように高価なニッケルを含有させていないので、材料そのものの値段はどちらかというと安くなります。

では、フェライト系ステンレス鋼で作られたネジは安いのかというと、実はそうとも限りません。
「材料が安くて作りやすかったら、出来たネジも安いんと違うんか?」
となるのですが、これは需要量にも絡めて考える必要があります。
ねじの強化書Vol.22でも書いたように、ステンレス鋼で作られているネジ部品やネジの関連部品においてはオーステナイト系がかなりの割合を占めます。
オーステナイト系自体の材料の値段はフェライト系やマルテンサイト系と比較すると最も高いのですが、需要量が多いため、そこには健全な競争が生まれ、ネジの値段はある程度は抑えられています.
ところが、フェライト系ステンレス鋼の場合、オーステナイト系ステンレス鋼ほどネジの需要量が多くないため、製造ロットも少なく、値段を抑えることがなかなか難しいというわけです。
極端にいうと、たとえ同じ形状・同じサイズであってもフェライト系のネジのほうが高くなったりすることがあります。

フェライト系ステンレス鋼を使う理由


では、なぜわざわざフェライト系ステンレス鋼のネジを使うのかというと、それは応力腐食割れ対策です。
普通なら持ちこたえられるような応力なのに海水とかの塩化物がある場所で使っている場合に割れる現象のことをいいます。
これは、オーステナイト系に比べてフェライト系は起こりにくいと言われています。
この応力腐食割れについては、何回かあとに詳しく触れます。

 

今回は以上です。
次回もお楽しみに!

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