熱処理とは
金属は加熱や冷却をすることで硬さや強さなどの性質を変化させることが出来ます。
これを熱処理といいます。
私たちの身の周りにあるもので熱処理をしたものといえば、ハサミや包丁といった刃物を真っ先に思い浮かびます。
なぜ刃物に熱処理をするのかというと、もちろん刃こぼれなどせずよく切れるようにするためです。
そして、ねじにおいても熱処理をすることは多いです。
熱処理の本当の目的
では、なぜねじに熱処理をするのかというと、ねじはそれぞれ使う環境や状況によってその性質を変化させる必要があるから、です。
例えば、六角穴付きボルトを使う目的のひとつとして、機械や装置などの「小型化」や「軽量化」があります。
小型化や軽量化のためには使うねじを出来るだけ細くしたり小さくしたりする必要があります。
ただ、単純にねじのサイズを小さくするとそれにともなってボルト自体の強度が下がるので何らかの手段によって強度を上げる必要があります。
そのための手段として利用されるのが熱処理です。
日本では六角穴付きボルトの強度区分、つまりねじの強さの段階は10.9または12.9という非常に高い強度区分で、これらは「焼入れ焼戻し」という熱処理によるものです。
このように、使う環境や状況によってねじの性質を変化させるには熱処理は有効な手段となります。
今回は以上です。
次回もお楽しみに!