ねじの強度区分を説明する前に、機械的性質や単位(正確にはSI単位と略される国際単位)について説明する必要があります。
機械的性質とは、金属材料が持つ性質で、外力つまり外部からの力が金属材料に加わった際にその外力に対して抵抗する強さや硬さのことです。
ねじの強度区分の中でも特に重要なのが、「引張強さ」と「降伏点」と「耐力(または0.2%耐力)」です。
①引張強さ
ボルトや小ねじの軸方向に引張荷重を加えて、破断するまでの最大応力のことです。
破断した荷重(最大荷重)をボルトの断面積で割った値で表します。
単位はPa(パスカル)もしくはN/㎟(ニュートンパー平方ミリメートル)です。
②降伏点
ボルトの弾性変形(荷重を加えると変形するが、荷重を無くすと元に戻る)を超えて(弾性限界)、永久変形(加えた力を除いても変形が残る、塑性変形ともいう)が始まる点のことです。
材料の種類やボルトの強度によっては「耐力」または「0.2%耐力」ともいいます。
単位は引張強さと同じくPaもしくはN/㎟です。
③0.2%耐力
材料の性質によっては降伏点がわかりにくい場合があります。
その場合、永久変形が「ある値」になったときの応力を降伏点の代わりとして使います。
これを「耐力」または「0.2%耐力」といいます。
こちらも単位はPaもしくはN/㎟です。
④ニュートン(N)
力の単位で、以前はkgf(キログラムフォース)という単位でした。
1Nはおよそ0.1kgfです。
⑤パスカル(Pa)
1m2の面積につき1N(約0.1kgf)の力が作用する圧力または応力のことです。
今回は以上です。
次回もお楽しみに!