鋼製ナットの強度区分は数字のみで表わします。
種類としては、【04】【05】【5】【6】【8】【9】【10】【12】の8種類ですが、日常において頻繁に使用するかというと、実は筆者の経験ではほとんどありません。
おそらく理由としては、市販品や流通品において強度区分を明記したものも無い、もしくは少ないから日常の受発注においては使われることが少ないから、かもしれません。
あくまでも筆者個人の考えだということはご了承ください。
では、日常の受発注はどのようにしているのかというと、ナットの場合、強度区分での受発注ではなく、材料名での受発注がほとんどです。
例えば、「鉄のナット」となれば大抵は材料がSWCH系のナットで、「熱処理したナット」となれば大抵は材料がS45C系、もしくはSCM435系、という具合です。
ステンレス鋼製のナットについては、【A2-50】や【A4-70】など、ステンレス鋼製のボルトなどと同様にハイフンで区切りをつけた英数字の組み合わせで表わします。
ステンレス鋼製のナットについては、【A2】や【A4】といった鋼種区分のみ表記した受発注は比較的よく見られます。
頭部のない止めねじは、ボルトのように強度区分ではなく、硬さ区分が規定されていて、【14H】【22H】【33H】【45H】の4種類あります。
止めねじとは通常は六角穴付き止めねじのことを指しますが、流通品の硬さ区分は【45H】のみです。
おそらく理由としては、止めねじは先端で相手物を押さえつける目的で使われることが多いため、ある程度の硬さが必要で、硬さが低いものを作っても使用用途に合わない場合が多いとか、すべての硬さ区分のものを作るのは大変だから、せっかくなら一番強いもので作っておこう、ということがあるかもしれません。
これもあくまでも筆者個人の考えだということはご了承ください。
今回はめねじの強度区分や止めねじの硬さ区分についてお話ししましたが、受発注といった実務と絡めると正直言って全っ然筆が進みませんでした。
彼ら(?)からは叱られるでしょうけど、普段からあまり意識していないからかもしれません。
とは言え、彼らについてはこの程度は覚えておいて損はないのではないか、と思ったりします。
今回は以上です。
ところで、最後の方でめねじの強度区分や止めねじの硬さ区分のことを「彼ら」といわゆる三人称の代名詞で書きましたが、これは普段から懇意にしていただいている方の口癖で、その方はねじのことを「この子」とか「あの子ら」とか言っているのですが、少しあやかってみました。
このことからこの方のねじへの愛情を感じますが、この方に比べると筆者はまだまだだな、と思う次第です。
次回もお楽しみに!