電気めっきは、めっき溶液の中でめっきをしたい金属、つまりボルトやナットなどのねじ部品にマイナス極、めっきとしてつけたい金属にプラス極の直流電流を通電させてめっきをする方法です。
ねじに施す電気めっきは大きく分けて、「電気亜鉛めっき」「ニッケルめっき」「クロムめっき」の3種類があります。
その中でも最も多いのが電気亜鉛めっきなので、これを中心にお話していきます。
電気亜鉛めっきは主にサビを防止するいわゆる防錆目的で利用されることが多いのですが、電気亜鉛めっきのみでねじの表面処理は完成!ということはほとんどなく、クロム酸などを含む化成処理剤に浸けることによって生じる化学反応で、ねじの表面に不溶性の被膜をつくる「クロメート処理」という化成処理を施して完成となります。
クロメート処理で使用する処理剤は、以前は六価クロムを含む処理剤が主流でしたが、六価クロムは有害物質で、21世紀にEUで公布された「RoHS指令(ローズ指令)」で規制対象物質になったこともあり、一部の業界での使用を除いて現在では三価クロムを含む処理剤を使用した三価クロメート処理が主流となっています。
三価クロメートの色調は、白系の「三価白」と黒系の「三価黒」の2種類で、三価白については処理剤によって青色がかった銀色もしくは黄色がかった銀色に仕上がります。
三価白と三価黒はどのように使い分けるのかというと、特に明確な基準もありませんが、
使用状況によって使い分けることが多いようです。
例えば、相手母材が白系の塗装をしていて、ボルトの位置を目立たたせたくないなら三価白、メンテナンスをしやすいように逆にボルトの位置を目立たたせたいなら三価黒といった具合です。
今回は以上です。
次回もお楽しみに!