金属が酸素や水分と結合することによって酸化し、腐食を起こして発生する腐食物を錆(さび)といいます。
電気亜鉛めっきは防錆、つまり錆(さび)を防止する目的で利用されることが多いのですが、錆にはいくつか種類があります。
【赤錆】
主に鉄鋼材料に見られる錆で、金属を少しずつ侵食していくため、そのまま進行すると材料はボロボロになります。
【白錆】
亜鉛やアルミニウムに見られる錆で、場合により鉄鋼材料を腐食から守る役割を持つこともあるため、どちらかというと良質の錆といえます。
【青錆】
銅や真鍮(黄銅)に見られる錆で、緑青(ろくしょう)ともいわれます。
耐食性があるため、保護被膜としても機能します。
【黒錆】
金属の表面に密着して硬く安定した皮膜を形成するため、鉄鋼材料を腐食から守る役割を持っています。
四酸化三鉄ともいいます。
この中で金属にとって不都合な錆は何といっても赤錆で、防錆はこの赤錆を防ぐことがもっとも重要になります。
電気亜鉛めっきで使用する亜鉛には自身に白錆を発生させることによって鉄鋼材料に赤錆を発生させないという機能があります。
これを犠牲防食作用といいます。
名前の通り亜鉛が犠牲になって錆びてくれて、鉄鋼材料から赤錆を発生させないようにするものです。
なぜこのような機能が亜鉛にはあるのかというと、亜鉛は鉄よりイオン化傾向が大きいからです。
金属の単体が水溶液中で電子を放出して陽イオンになろうとする性質をイオン化傾向といいます。
イオン化傾向が大きいほど水に反応しやすく、空気中で酸化しやすくなります。
つまり、錆びやすいということになります。
これが電気亜鉛めっきにおけるもっとも大きな利点となります。
今回は以上です。
次回もお楽しみに!