第3営業部の石戸です。
おっかなびっくり、二度目の登場です。
今回は去る3月24日に参加した、とくしまマラソン2024のお話をさせていただきます。
しばしお付き合いください!
■なぜ走るのか?
「何でそんなしんどい思いまでしてマラソン走るん?」
常日ごろ家人からはそのように言われます。
確かに、そうだ。
距離にして42.195キロを走るフルマラソンは、アスリートとは程遠い中年ランナーにとってはかなり過酷なもので、たとえ走ったからと言って何になるものでも、ない。
もちろん、走破タイムも誰かに誇れるようなものでも、ない。
ただ、己との闘い。
限界への挑戦。
自分がどこまでできるのか、可能性を知る。
そして、走り切ったときには「俺はまだ何かできるんや!」ということを確かめることができる。
そう。
そのために走っているんだ、と。
■とくしまマラソンとは?
とくしまマラソンは、四国三郎の異名を持つ暴れ川、吉野川沿いのコースで、天気が良ければ“眉の如 雲居に見ゆる 阿波の山 かけてこぐ舟 泊知らずも”と、万葉集にも出てくる眉山(びざん)を見ながら走るフルマラソンです。
沿道の応援も賑やかで毎年の楽しみのひとつ。
特に日本三大盆踊りである“阿波踊り”でのおもてなしはご当地ならでは。
笛や太鼓に鉦、音もリズムも心地良く。
他にも、お遍路さんの格好をしている方々。
浄瑠璃を披露してくれる方々。
何故か修験者姿で法螺貝を吹きながら応援してくれるご一同も。
吉野川に架かる橋もトラス橋やアーチ橋、潜水橋とカタチはさまざまで、どれも壮観。
時節がら河川敷には一面の菜の花。
そういった景色も一見の価値ありです。
走っている時はスマホを預けているので、写真はありませんが、賑やかさや景観は文面で多少なりともご想像いただければと。
さらに、ゴールゲートの先には“バンザイ隊”なるお姉様方が待ち構えていて「お願いします!」と声を掛けると「完走バンザーイ!」
と全力で祝福してくれます。
■昨年の苦い記憶を乗り超えるんだ!という想い
昨年のとくしまマラソン2023では、40キロを越えたところで心身とも見事にポッキリ折れて大失速。
ゴール100メートル手前付近では両足がつり、不覚にも転倒。
しばらく立つこともできず、泣き泣き数分間その場から動けないという体たらく。
フルマラソン過去7回中、2番目に速い走破タイムながら、不本意なものとなってしまいました。
それ以降、日々のランに加え、あまり好きではない体幹トレーニングに可動域トレーニング、直前にはおよそ6㎏の減量。
減量については家人からは「見た目変わらんやん!」と言われましたが・・。
それはともかく、昨年のリベンジを期して今年挑みました。
■悪天候!今年のとくしまマラソン
当日はあいにくの雨。
ささやくような雨かと思えば時折降りしきる雨が、寒さが、水を含んで重くなったシューズが、ところどころにある水溜りが、体温と体力を容赦なく奪っていく。
何より“敵”は中年ランナーの心を折ろうとする。
“彼ら”からすると、たかが中年ランナーなんぞ間違いなく眼中にないはずなので、それは被害妄想に違いないが、おそらく、そうだ。
こちらもカンタンに心を折らせるつもりも、ない。
「今の俺はこれぐらいでアカンようになるぐらいのメンタルとフィジカルちゃう!」と、自分を奮い立たせ、ひたすら前へと歩を進める。
そう。
マラソンは何があってもひたすら前に進まなければならないのです。
沿道からの応援が前に進む原動力になる。
「ガンバレ!」
「ナイスラン!」
「ナイスファイト!」
「まだまだ行けるで!」
「足痛いのは気のせいや!」
どれも止まりそうな足を動かしてくれる。
ランナーが安全に走れるようにしてくれている裏方の人たち。
給水所やエイドステーションのボランティアの人たち。
雨に打たれているのはランナーだけではない。
感謝してもしきれない。
見ず知らずではあるが、およそ6,500にも及ぼうかという同好の士でもあるランナー諸姉諸兄たちからは無言で励まされているような気にもなる。
老若男女みんな必死でガンバっている。
涙が出そうになる。
■天命を知る年代になって何を想うのか?
「42.195キロを走るフルマラソンは人間の本性を丸裸にし、とりわけラスト2.195キロの走り方ではその人の真価が問われる」と聞いたことがある。
確かに。
そしてその意味は、深い。
これは経験した者だけが理解でき、実感できる。
「そんな大袈裟な!」などと言ってこれをあざけるなら、その人とは永遠に他人のままだろう。
ランナーズハイに違いない。
たぶん酔っているんだと思う。
終始雨という悪天候に加え、低い気温も続く。
寒さに震える。
膝、太腿、股関節、足首、つま先、背中、肩、順不同ながら徐々に身体のあちこちが痛くなる。
息も絶え絶え。
薄れゆく意識。
にもかかわらず、スタートからゴールの瞬間までホントに楽しく走れた。
ゴールのあと、フィニッシャーだけがもらえるタオルとメダルを受け取ると感極まった。
思いもかけず、涙する。
あの時間を倶に過ごしてくれた全ての人たちに感謝。
まだ成長期だろうか。
5年振りに自己ベスト更新のおまけもついた。
そんなとくしまマラソン2024でした。
それだけではない。
たとえ思い込みであったとしても、かの孔丘いわく“天命を知る“という年代になったとしても、いや、そうなった今だからこそ「そうや!俺はまだまだ何かできるんや!」ということを確かめることもできました。
まさに試金石。
負けんもんね!
負けとる場合や、ないもんね!
とくしまマラソン2024 ネットタイム3時間50分37秒