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ホーム課題解決の事例集量産ねじの製造方法変更でコストダウン~調整ねじ編~
課題解決の事例集

量産ねじの製造方法変更でコストダウン~調整ねじ編~

2022.09.29
お客様の産業工作機械・産業機械メーカー
部署名購買

解決策のご提案

製作品に関する豊富な知識で
●ご希望通りの納期、精度、単価での製品製作のご提案
●製造方法変更によって試作時から45%コストダウンのご提案

相談までの経緯

課題の概要

工作機械の新製品試作時、設計部門の意向で機械の脚の部分にECサイトにある「調整ねじ(※)」を使用していた。

量産時に購買部へ調整ねじの手配依頼が入り、ECサイトで調べたところ単価が高く、量産ロット数(700本)で購入するには予算と合わないということが判明した。
(試作時は設計部が独自でECサイトから少数のみ手配していた。)

大幅な仕様変更はしたくないため、何とかして低コストで入手できないか検討している。

設計部の希望の仕様は
サイズ:M30X100 P=1.00
材質:S45C相当
めっき:黒染め
数量:700本
納期:2ヶ月以内

※調整ねじ…工作機械や産業機械などの脚・架台の高さ・レベル調整に使用される部品

問題の原因

設計部門と購買部門の間でうまく連携が取れておらず、量産時の価格まで考えて部品選定・仕入れ先選定が出来ていなかった。
ECサイトはボリュームディスカウントがほとんどないため、仕入量による価格交渉ができない。
再度設計、試作をするとなると大幅なタイムロスとなり、納期が間に合わなくなる。

当時のお客様の対策

ECサイト以外に取り扱っている仕入先がないか探してみたが、「調整ねじ」という商品自体が一般規格品ではない為、在庫を持っている仕入先がなかった。
特注品として製作できないか何社か相談してみたが、コスト・納期・品質すべての希望の仕様を満たせるところはなかった。

イケキンが提案したこと

課題解決の要件

●ECサイトよりもコストダウンできること
●仕様は大幅に変更しないこと
●納期は2ヶ月以内

解決策のご提案 希望通りの調整ねじをイチから製作

調整ねじの図面を確認し製作方法を検討。頭部の製作方法がポイントになることを確認。
コストダウンできる方法は3パターン。

 

①…1番コストを抑えられる製造方法。
   頭部側面がショットがけのままになる。
   実働30日程度で製作可能。
②…熱間鍛造後に切削で六角頭を形成し、見た目をよりきれいにできる。
   実働40日程度で製作可能。
③…全工程切削加工で製造。
   削り代が大きいため手間がかかり、割高になるが小ロットでの製作が可能。
   本数により納期が大きく変動する。

 

今回は中ロット(700本)だったため、①の熱間鍛造で頭部を形成した後に切削加工で仕上げをする方法をご提案。
700本まとめて作ることで熱間鍛造で製作が可能であるため、③のようなイチから切削加工する方法よりも時間をかけずに製作できる。

最終的には①を選択した。
仕様および図面変更は発生するが、この方法が一番コストダウンができ、より早く納品できるため、お客様にとって最適であると判断した。

頭部側面はショットがけのままになるので切削加工よりも見た目は少し劣るが、使用箇所は目につく場所ではないので、設計部門としても問題ないとのことだった。

対策の成果・結果

提案結果

まずはサンプルを製作して納品。
新製品を試作して問題がなかったので、量産を進めてほしいとご連絡いただいた。
リードタイムをかけた分(実働30日)、ECサイトよりも約45%コストダウンしてご提供することができた。(※)

※…本事例での数値です。

ユーザーメリット

●製造方法の工夫でコストダウンができた。
●希望納期より早く納められたので、その後の工程もスムーズに進んだ。
お客様の声
コストダウンができ、予算内で新製品の製作ができた。
他社で仕様変更まで提案してくれるところはなかったので、イケキンに頼んでよかった。
今後他サイズ、他の部品でも困ったときはまたお願いしたい。
その後のお話
他のサイズや材質でも引き合いがあり、現在は10サイズ以上が流動している。
年間の使用予定量もご提示いただき工場とも情報共有することにより、それを加味した単価設定ができるようになった。
計画的に製作することができているため、納期遅延も起こさず納品できている。

また、製品輸送時に打痕がつかないようねじを1本ずつ包装して納品しており、太径ねじであるにもかかわらずねじ部がきれいだと喜んでいただいた。
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