トラスビスから超極低頭ねじ「310スリム」への置き換えで
●車載充電器の筐体の小型化+軽量化に成功
課題解決の事例集
超極低頭ねじ「310スリム」で筐体の小型化+軽量化成功
2023.03.06
お客様の産業自動車業界
部署名設計
解決策のご提案
相談までの経緯
課題の概要
小型自動車の新製品開発に伴い、車載充電器の筐体の設計をしていた。
今回の小型自動車は大きさが従来品よりも小さくなっており、各部品も小型化+軽量化が求められている。
普段締結用のねじはトラスビス(※1)を使用しているが、設計上頭部の出っ張りが筐体内で他の部品に当たってしまう計算に。
また、筐体を入れる自動車側のスペースも狭く、トラスビスだと外側に出ているねじの頭部が引っかかってしまい入らない。
※1…小ねじの1種。トラス小ねじと呼ばれることもある。
今回の小型自動車は大きさが従来品よりも小さくなっており、各部品も小型化+軽量化が求められている。
普段締結用のねじはトラスビス(※1)を使用しているが、設計上頭部の出っ張りが筐体内で他の部品に当たってしまう計算に。
また、筐体を入れる自動車側のスペースも狭く、トラスビスだと外側に出ているねじの頭部が引っかかってしまい入らない。
※1…小ねじの1種。トラス小ねじと呼ばれることもある。
問題の原因
今回使用予定だったトラスビスのサイズはM4×8で頭部高さは2.5mm。
スペースの狭さの都合上頭部高さは2mm以下でないとうまく組み立てられない。
スペースの狭さの都合上頭部高さは2mm以下でないとうまく組み立てられない。
当時のお客様の対策
頭部高さが2mm以下のサイズがあるので検討したが、ねじのサイズを変えると下穴径や周りの部品も変えないといけなくなってしまう。
ねじのサイズを変えずに問題を解決する方法が分からなかった。
ねじのサイズを変えずに問題を解決する方法が分からなかった。
イケキンが提案したこと
課題解決の要件
●頭部高さが2mm以下のねじであること
解決策のご提案 超極低頭ねじ「310スリム」
トラスビスよりも頭部が薄い超極低頭ねじ「310スリム」(※2)をご提案。
310スリムは頭部高さが業界最薄のねじで、ザグリ穴加工をしなくても頭部の出っ張りがなくせる小ねじである。
頭部が低いねじは複数あるので、ウルトラ低頭CAPと比較しながら検討。
▼310スリムとトラスビスの頭部高さ比較表(鉄はM3~5のみ)
310スリムは頭部高さが業界最薄のねじで、ザグリ穴加工をしなくても頭部の出っ張りがなくせる小ねじである。
頭部が低いねじは複数あるので、ウルトラ低頭CAPと比較しながら検討。
▼310スリムとトラスビスの頭部高さ比較表(鉄はM3~5のみ)
310スリムのM4の頭部高さは0.9mm、ウルトラ低頭CAPは1.5mmなので両方とも2mm以内で、課題解決の要件は満たしている。
かつ強度の部分については締付破壊試験を行い、どちらも問題がないことも確認。
対策の成果・結果
提案結果
お客様と相談の結果、今後さらに小型化や軽量化が進んでいくことを加味すると、現時点でより頭部が低いねじを選ぶ方が得策だと考え310スリムを使用して試作。
他の部品に当たることなく組み立てができ、筐体を自動車の中に入れる際も頭部が引っかかることはなかった。
お客様先でも実機テストを行い問題がないことも証明されたので、310スリムを採用。
また、ねじ自体の重さもM4×8はトラスビスが約1.54gに対し、310スリムは約0.68g。(※3)
310スリムの方が2倍以上軽く、軽量化にも繋がった。
※3…鉄生地の場合。
他の部品に当たることなく組み立てができ、筐体を自動車の中に入れる際も頭部が引っかかることはなかった。
お客様先でも実機テストを行い問題がないことも証明されたので、310スリムを採用。
また、ねじ自体の重さもM4×8はトラスビスが約1.54gに対し、310スリムは約0.68g。(※3)
310スリムの方が2倍以上軽く、軽量化にも繋がった。
※3…鉄生地の場合。
ユーザーメリット
●頭部高さが2mm以下のねじが見つかった。
●製品の軽量化ができた。
●今後さらに製品の小型化や軽量化を進めていける可能性が見えた。
●製品の軽量化ができた。
●今後さらに製品の小型化や軽量化を進めていける可能性が見えた。
さらなる品質向上を求めて
今回の提案をきっかけに、製品品質の向上を検討することになったようです。
その中で、過去に自動車稼働時にねじのゆるみが発生した事例があったことに着目され、ゆるみ止めの対策についてご相談いただきました。
スペースの都合上、おねじ単体で対策ができるプレコートタイプのゆるみ止め「シーホースロック」の塗布をご提案。
こちらの案も採用いただき、継続して納品させていただいています。
その中で、過去に自動車稼働時にねじのゆるみが発生した事例があったことに着目され、ゆるみ止めの対策についてご相談いただきました。
スペースの都合上、おねじ単体で対策ができるプレコートタイプのゆるみ止め「シーホースロック」の塗布をご提案。
こちらの案も採用いただき、継続して納品させていただいています。
また、今回の課題を解決するだけでなく、今後さらなる品質向上を目指していくためのヒントがもらえました。