ノルトロックワッシャー(ゆるみ止め)+ゾルベストコーティング(潤滑剤)で
●高難度設計の車両部品の製造に成功
●潤滑剤塗布作業の手間削減
課題解決の事例集
ゆるみ止めワッシャー×潤滑剤コーティングで誤差10%以内に軸力を安定させる設計を実現
2023.05.16
お客様の産業製造業(鉄道関係)
部署名設計
解決策のご提案
相談までの経緯
課題の概要
車両部品の新規設計時、最終ユーザー(鉄道会社)から「何があっても壊れないくらい頑丈な車両を作ってほしい。」と要望があった。
この要望を実現するためには車両部品も、普段製作しているもの以上にシビアな設計にしなければならなかった。
ねじのゆるみによる故障を防ぐための対策もしつつ、潤滑剤を使って高い精度で軸力を出したいが、大半のゆるみ止め製品が潤滑剤と併用できない。
また、仮に潤滑剤を併用できるゆるみ止め製品があったとしても、塗布作業に手間がかかる。
この要望を実現するためには車両部品も、普段製作しているもの以上にシビアな設計にしなければならなかった。
ねじのゆるみによる故障を防ぐための対策もしつつ、潤滑剤を使って高い精度で軸力を出したいが、大半のゆるみ止め製品が潤滑剤と併用できない。
また、仮に潤滑剤を併用できるゆるみ止め製品があったとしても、塗布作業に手間がかかる。
問題の原因
仕様書では部材強度に対して高めの軸力値を誤差10%以内に収めるよう設定されていた。
加えてゆるみ対策のため、何かしらのゆるみ止め製品を使用しなければならない。
軸力は目に見えない力なのでコントロールが難しく、トルク管理だけでは±30%のばらつきは当たり前とされており、通常はそれを見越して締め付けトルクを設定している。
潤滑剤で摩擦を安定させて軸力を発揮させる精度を上げたいが、通常のゆるみ止め製品は摩擦の力を利用していることが多いため併用できない。
また、潤滑剤塗布作業に関しては従来手作業で行っていたため、新たにその作業が発生するとなると作業者の負担が大きくなってしまう。
加えてゆるみ対策のため、何かしらのゆるみ止め製品を使用しなければならない。
軸力は目に見えない力なのでコントロールが難しく、トルク管理だけでは±30%のばらつきは当たり前とされており、通常はそれを見越して締め付けトルクを設定している。
潤滑剤で摩擦を安定させて軸力を発揮させる精度を上げたいが、通常のゆるみ止め製品は摩擦の力を利用していることが多いため併用できない。
また、潤滑剤塗布作業に関しては従来手作業で行っていたため、新たにその作業が発生するとなると作業者の負担が大きくなってしまう。
当時のお客様の対策
ゆるみ止め接着剤や、ナイロンが組み込まれているねじ・ナットなどいろんなゆるみ止め製品を検討してみたが、どれも摩擦の力を使うので採用できなかった。
潤滑剤を使用しないことも考えたが、軸力値を誤差10%以内に収めるとなると潤滑剤なしでは厳しく、良い方法が見つからなかった。
潤滑剤の塗布作業については、そもそもの設計が決まらず改善を考えるところまで至っていなかった。
潤滑剤を使用しないことも考えたが、軸力値を誤差10%以内に収めるとなると潤滑剤なしでは厳しく、良い方法が見つからなかった。
潤滑剤の塗布作業については、そもそもの設計が決まらず改善を考えるところまで至っていなかった。
イケキンが提案したこと
課題解決の要件
(1)潤滑剤と併用できるゆるみ止め製品を提案すること
(2)潤滑剤塗布作業の手間を削減できること
(2)潤滑剤塗布作業の手間を削減できること
解決策のご提案 ノルトロックワッシャー×ゾルベスト(潤滑剤)
≪摩擦の力を使わないゆるみ止めノルトロックワッシャーとゾルベストコーティング≫
ノルトロックワッシャーは軸力を利用するゆるみ止めです。
摩擦の力を使わないため、潤滑剤で摩擦を低減させてもゆるみ止め効果に支障をきたさないので併用が可能です。
今回は通常よりも強い力で締め付けることになるので、被締結部材への負荷を減らすために通常よりも外径の大きい幅広タイプをご提案。
また、潤滑剤の塗布作業をなくすために、ゾルベストという潤滑剤をメーカーでコーティングすることをご提案。
納品時に既に潤滑剤が塗布された状態で届くので、作業者が一つずつ手塗する必要がなくなる。
ゾルベストコーティングしたものと、従来使用していたモリブデン系の潤滑剤を塗布したもの、どちらがより適しているかを検証するために試験を実施。
ロードセル(※)で軸力を確認できる試験機を使い、求めている軸力を出すために必要なトルクを計測。
※ロードセル…力を検出するセンサー
対策の成果・結果
提案結果
ノルトロックワッシャーは潤滑剤と併用できるということで採用が決定。
潤滑剤は試験の結果から、ゾルベストコーティングの方がよりトルクが安定することが分かった。
塗布作業の手間や負担を鑑みて、トータルコストでもメリットが出せるということで、ゾルベストコーティングも採用になった。
潤滑剤は試験の結果から、ゾルベストコーティングの方がよりトルクが安定することが分かった。
塗布作業の手間や負担を鑑みて、トータルコストでもメリットが出せるということで、ゾルベストコーティングも採用になった。
ユーザーメリット
最終ユーザーの要望を満たすことができる車両部品を製造できるようになった。
潤滑剤の塗布作業もなくなり、現場の作業改善にも繋がった。
潤滑剤の塗布作業もなくなり、現場の作業改善にも繋がった。
ご提案の裏側
この問題を解決してから、ねじのことで分からないことがあった時や、製品の検査のことで困った時はイケキンを頼っててくださるようになりました。
座金の折り曲げ作業の改善など、主に作業の改善に関するご相談をいただいています。
座金の折り曲げ作業の改善など、主に作業の改善に関するご相談をいただいています。
また、この件があって初めてねじのことを真剣に勉強したが、どんな質問にも親身に答えてくれて助かった。