どれだけ気を付けていても発生する異物混入。その原因として虫や針の混入はよく聞かれますが、「ねじ」が関わるケースもあることをご存知でしょうか。
今回は、異物挿入が発生する原因から危険性、対策などを紹介します。異物混入とねじの関係性も紹介するので、気になる方は最後までお読みくださいね。
異物混入の発生件数をデータで紹介
異物混入と一口に言っても、混入されるものは「虫」「合成樹脂類」「鉱物性異物」など多岐にわたります。混入が一度でも発生すると、自社にかかわるすべての方からの信頼が損なわれるため、絶対に避けなければなりません。
東京都保健医療局のデータによると、令和4年度では565件の異物混入が発生しました。
(出典:東京都保健医療局「令和4年度 苦情処理状況」)
単純計算すると、1日に約1.5件の異物混入が東京都で発生しています。上記はあくまで東京都の発生件数であるため、全国規模で考えるとさらに多くなるはずです。「自社には関係のない話」という考えは捨てておきましょう。
異物混入はなぜ起きるのか
後を絶たない異物混入は、なぜ発生するのでしょうか。主な原因を3つ紹介します。
(1)害虫・害獣が侵入できる状態になっているため
工場内の窓、あるいは扉が長時間放置されていると、害虫・害獣が侵入できる状態になります。その結果、食品に混入する可能性が出てきてしまうのです。
仮に工場内で繁殖すると、対策には時間を要することもあります。始業前には工場全体を歩き回り、害虫・害獣が侵入できる環境になっていないか、念入りに確認してください。
(2)従業員がルールを守っていないため
どれだけ厳しくルールを設けていても、「持ち込んではいけないものを持ち込む」「手洗い・
うがいをしていない」など、ルールを守らない従業員が出てくる場合があります。ルール徹底ができていない環境では、いつ異物混入が発生しても不思議ではありません。
定期的に作業現場をチェックし、必要ならば研修の実施も考えましょう。異物混入による社会的リスクを正しく伝え、未然に防ぐ環境づくりが欠かせません。
(3)設備の劣化が進んでいるため
工場の設備が劣化していると、異物混入のリスクが高まります。例えば、長年使用したねじにゆるみが発生し、ふとした瞬間に外れてしまい、ねじが床に落ちたとします。回収のために拾ったねじが、手先の動きを誤って食品の中に入る可能性はゼロではありません。
また、劣化した部品には汚れが蓄積されており、その汚れが混入するケースも見られます。目に見える大きな機械はもちろんですが、ねじの劣化といった見落とされがちなものの状態も、しっかり確認しましょう。
異物混入は莫大な損失につながる
異物混入が発生すると、その事実があらゆる媒体で報道されます。近年はSNSの投稿で騒動になることも珍しくないほど、厳しい視線が注がれているのです。
混入が発覚した段階で、企業は商品を回収し、安全性を確かめる必要が出てきます。もちろん、安全性が担保されるまで該当の商品は販売できません。もしその商品が売れ筋のものであれば、大きな損失につながります。
その他、商品を回収するための費用はもちろん、最悪のケースは損害賠償を求められることがあります。たった一度の混入が、莫大な損失を生むリスクがあることを認識しなければなりません。
異物混入の対策とは?
異物混入を防ぐための対策例には、以下が挙げられます。
・守ってほしいルールをチェックリストにまとめる
・金属たわしなど、異物混入につながりかねない器具を使用しない
・X線検査器を導入する
簡単に実践できるものから費用が発生するものまで、対策方法は多種多様です。まずは実践しやすいものから始めることをおすすめします。
また、食品製造で使用する機械には、多くのねじが使用されています。ゆるみによるねじの脱落も混入の原因となるため、定期的なメンテナンスが大切になるのです。ねじのゆるみに効果的な対策方法については、以下の資料をダウンロードしてご確認ください!