皆様は植込みボルトと両ねじボルトの違いをご存知でしょうか。
植込みボルトと両ねじボルトは両方とも頭部がなく、両端にねじが切られている製品です。
形状がよく似ており同一製品だと思われていることもありますが、実は別物なのです!
※植込みボルトはスタッドボルト、両ねじボルトはタイロッドと呼ばれることもあります。
先日イケキンでは
「機械を固定している両ねじボルトにゆるみが発生した。」とご相談を受けました。
詳細を確認するために現物と図面を確認させていただいたところ、図面は植込みボルトの規格・公差で製図されているのに、仕入先への発注時に誤って両ねじボルトと伝えていた上に、図面を提出していなかったことが判明しました。
植込みボルトのほうが植込み側ねじ部の有効径が僅かに太いことを認識できておらず、それが原因でゆるみが発生していたようです。
上記のような問題が起きたというケースを何度か耳にしています。
このようなことが量産後に発覚した場合、大変なことになりますよね。
そうならないためにも、「植込みボルト」「両ねじボルト」の違いを認識しておきましょう!
具体的に違う点をまとめてみました。
▼比較表
植込みボルト | 両ねじボルト | |
JIS規格 | あり(JIS B 1173) | なし |
ねじ先形状 | 植込み側:面取り先 ナット側:丸先 | 両側同じ 面取り先、丸先など様々 |
ねじ部長さの管理 | 植込み側:切上がり ナット側:有効 | 両側有効 |
呼びL寸 | 突出部 | 全長 |
ねじ部公差 | 植込み側、ナット側で異なる | 両側同じ |
用途 | 機械や装置に植え込んで使用することが多い | 機械関連・建築関連などさまざま |
■植込みボルト
■両ねじボルト
簡単にまとめると、
ねじ先形状、ねじ部長さの管理方法、呼びL寸、ねじ部公差 が違うということです。
形状はそっくりですが公差などの細かな部分が違い、その違いを理解していれば先日イケキンに問い合わせいただいたようなゆるみ・脱落などのトラブルは防げる可能性が高くなります。
また、呼び寸なども勘違いしていると想定と違ったものが出来上がってしまうので注意が必要です。
2つの違いを比較した資料をご用意いたしました。
皆様のお仕事に活かしていただけますと幸いです。