ねじの基礎≪1≫　基本用語・ねじの表し方・ねじ山の種類・ねじの分類

ねじの基本用語

ねじは、円筒状のものや円錐状のものの外側の面、もしくは内側の面にそって凹凸の溝を螺旋状につけたもので、外側の面に溝をつけたものを「おねじ（雄ねじ）」と言い、内側の面に溝をつけたものを「めねじ（雌ねじ）」と言います。
螺旋が右周りになっているものを右ねじ、左回りになっているものを左ねじと言います。
ねじは、カタカナでネジと表記したり、漢字で螺子や捩子と表記したりすることもありますが、JIS（日本産業規格）では、ひらがなで表記されています。

・つるまき線 ･･･螺旋状の斜面。
・リード角 ･･･斜面の角度
・ピッチ ･･･隣り合うねじ山とねじ山の間隔
・リード ･･･１回転させたときにねじの軸と同じ方向に動く距離。

【ねじの構成要素】

【多条ねじ】
通常ねじは、1ピッチの間に1条のらせんがあることから一条ねじと呼ばれています。
二条ねじは1ピッチ間に2条のらせんがあり、リード（１回転で進む距離）が2倍になります。
リードが倍になれば1回転で進むスピードも2倍になります。

・一条ねじ ･･･1条のらせんでねじを1回転させたときにリードがピッチと同じ距離になります。

・二条ねじ ･･･2条のらせんでねじを1回転させたときにリードがピッチの2倍の距離になります。

 
六角ボルトや六角ナットを例に取ると各部位の呼び方は次の通りです。

【おねじ】

・対辺 …六角形の向かい合う辺と辺の長さ（別称として平径、二面幅）
・対角 …六角形の向かい合う頂点と頂点の長さ
・頭部高さ …六角形部分の高さ
・首下長さ …頭部を含まないボルトの長さ（呼び長さ）
・外径（呼び径） …ねじ山がある部分の直径。おねじの場合はねじの呼び径
・谷径 …ねじ山の谷の直径
・軸径 …ねじ山が無い部分の直径
・有効径 …ねじの山幅とねじの谷幅が同じになる仮想的な円筒の直径
・ねじ山角度 …ねじ山そのものの角度。
・ピッチ …隣り合うねじ山とねじ山の間隔
・フランク面 …ねじ山の斜めの部分。おねじの場合、めねじに接する面

【めねじ】

・谷径（呼び径） …ねじ山の谷の直径（めねじの場合はねじの呼び径）
・内径 …めねじの山の直径
・有効径 …ねじの山幅とねじの谷幅が同じになる仮想的な円筒の直径
 

ねじの表し方

【メートルねじ】
ISOに国際規格として採用された一般的なねじです。
規格により、山の角度は60°と規定されています。
呼び径とピッチの単位をメートル法で表します。
ねじの世界では、センチメートルではなく、ミリメートルを使用します。

【ユニファイねじ】
ねじ山の角度60°のインチねじです。
1948年にアメリカ・イギリス・カナダの3カ国が、軍需品の互換性を図ることを目的として作られました。
ピッチを1インチ（25.4mm）あたりのねじ山の数で表します。

【管用ねじ】
水道管などの配管や管用部品、流体機器などの接続・結合に用いられるねじのことです。一般的に、管用ねじのサイズはインチで表されます。
機械的結合を主目的とする「管用平行ねじ」と、ねじ部の耐密性を主目的とする「管用テーパーねじ」の2つに区分されます。

3.ねじ山の種類
【三角ねじ】
ねじ山の断面が三角形になっていて、最も一般的なねじ山の形状です。
ねじ山の角度は60°です。

【台形ねじ】
ねじ山の断面が台形になっていて、運動伝達用のねじとして工作機械の送りねじや、測定機器の測定軸のような高精度が要求されるねじに使われています。

【管用ねじ】
ねじ山の角度が55°の形状をした三角ねじで、管や管用部品の接続に使われることが多いねじです。

4.ねじの分類例

代表的な製品
【ボルト】
六角ボルト、六角穴付きボルト、ヘクサロビュラ穴付きボルト、六角穴付きボタンボルト、六角穴付き皿ボルト、座金組込み六角ボルト、フランジ付き六角ボルト、アイボルト、Ｕボルト、蝶ボルト、植込みボルト、溶接ボルト
【小ねじ】
十字穴付き小ねじ、座金組込み十字穴付き小ねじ、ヘクサロビュラ穴付き小ねじ、すりわり付き小ねじ
【止めねじ】
六角穴付き止めねじ、すりわり付き止めねじ
【タッピンねじ】
十字穴付きタッピンねじ、六角タッピンねじ、ドリリングタッピンねじ
【木ねじ】
十字穴付き木ねじ
【ナット】
六角ナット、フランジ付き六角ナット、六角袋ナット、溶接ナット、アイナット、蝶ナット、溝付き六角ナット
【座金】
平座金、ばね座金、皿ばね座金、歯付き座金
【止め輪】
C型偏心止め輪、C型同心止め輪、Ｅ型止め輪、グリップ止め輪
【ピン】
平行ピン、テーパピン、ダウエルピン、スプリングピン、スナップピン、割りピン、
【リベット】
ブラインドリベット、プッシュリベット、ドライブリベット