座金とは、ねじを締めるときに被締結物との間に挟む金属などの板形状のもののことで、代表的なものだと丸座金(平座金・丸ワッシャー)やばね座金(スプリングワッシャー)などがあります。
一般的にはゆるみ止めの用途で使用されることが多いですが、座金を入れているからといって必ずしもゆるみが止められるわけではありません。
それはなぜなのか、座金の役割と共に解説していきます。
※このコラムにはねじのゆるみに関するお話が出てきます。
ねじのゆるみについてはこちら のコラムで解説しておりますので、合わせてお読みいただくことをおすすめします。
1.座面積を広げて陥没を防ぐ座金
丸座金、角座金などはねじの頭部径よりも外径が大きいため、組み込んで被締結物との接地面積を広げることで、ねじを締め付けた時の面圧が緩和されます。
面圧が緩和されることで被締結物の陥没を防ぎ、初期へたり(初期なじみ)によるゆるみも低減します。
しかし、振動によるゆるみには効果がありません。
2.ばねの反発力でゆるみに抵抗する座金
ばね座金、ばね座金などは、名前の通りばねの力で、振動や衝撃によるゆるみに反発します。
ゆるみを完全に防止できるわけではありませんが、ゆるんだ際にばねの弾性力による摩擦で、ねじが簡単に脱落することを防ぐ効果があります。
3.特殊な形状でゆるみに抵抗する座金
歯付き座金など、特殊な形状でゆるみに抵抗する座金もあります。
基本的には摩擦の力を使うものが多いですが、摩擦がどのくらい生じるかは相手材の材質や使用環境などでも変化します。
摩擦の影響具合を測ることは難しく、どのくらいの効果を出せているかが分からないため、組み込んでいてもゆるみが発生してしまうケースがあります。
一部、ノルトロックワッシャーなど摩擦に依存しない座金もございます。
4.まとめ
上記でご紹介してきた通り、「座金」と一口に言っても様々な形状のものがあり、それぞれに特徴があります。
ねじのゆるみを対策するには、生じているゆるみの原因や種類を正しく把握すること、それぞれの座金の特徴を知って正しいものを選定することが重要です。
また、深刻な人手不足が進行し続ける今、ただゆるみ対策の方法を検討するだけでなく、ゆるみと合わせて起きている問題(点検作業の時間、作業人員の数など)も一緒に考えていくことも、企業として非常に重要なことではないでしょうか。
イケキンでは、そういった課題を解決するために各種セミナーを実施しております。
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